
「生でしてはいけないよ」「やるときは必ずコンドームをつけるんだよ」とコンドームの重要性や生での危険性を教えてくれる人たちは多くいます。しかし「生ではダメダメ」と禁止事項ばかり与えてしまうだけで、どんなリスクがあるのかまでを理解させてくれる人は少ないです。
ただ「禁止事項」を与えるだけでは、人の心理として禁止されていることをしてみたくなることにより「生ってそんなにいいのかな?」と興味を抱いてしまい人によっては逆効果になったりします。

なので「世の中に多く広がっている生でする方法」や「安全に生でする」にはどんな条件が必要なのか臨床試験を基に確率論を含めシンプルにお話ししていきます。性行為のテクニックも大切ですがこれ知らずして何一つ語れません。
もくじ
生で挿入するのに不確かな方法

「生で挿入しても対策すれば大丈夫でしょ」と間違った知識で避妊対策をおこなっている方は多くいます。そもそもどのような避妊方法であったとしても100%妊娠を防ぐ避妊方法は存在しませんが、避妊に対する正しい知識を身につけておくことで避妊を確実性高く行うことができます。

では多く間違えている対策法についてPearl Index(パール指数:使用開始後1年間に妊娠する確率)を元にお話しします。
プルアウト法

プルアウト法とは膣外射精のことを言い「膣内に直接射精しなければ妊娠しない」と考えることから、射精する時に膣外に出せば問題ないという認識が広まっています。しかし、射精前に分泌されるカウパー腺液、いわゆる先走り汁、我慢汁に精子が含まれている場合もあります。

カウパー腺液に精子が含まれているのかどうかの研究では、27人男性を対象にした実験で11人(41%)が精子を含むカウパー腺液が発見されたことを明らかにしました。
つまり、射精しなくても勃起状態から分泌されているカウパー腺液によっても妊娠確率は十分にあるのと、毎回射精するタイミングも完全にコントロールができるケースはめったにないことからも膣外射精を行った場合の避妊失敗率は20%〜30%と高いのです。
タイミング法

一般的に「安全日」と表されることが多いのですが、女性の月経周期を基にして妊娠しやすい期間(排卵期)を避けた性行為によって避妊を図る方法です。基礎体温を日々計算しておこなう方法もありますが、排卵の乱れや体調によっても異なり予測が上手くいかないこともあるので確実性が高い方法とは言えないです。つまり、「安全日=妊娠しない日」はないと認識しておきましょう。
洗浄法

洗浄法は、そもそも世界的に避妊方法として認定されておらず、どのくらい効果があるのか明確化していません。性行為後に、ビデを用いて膣を洗浄したり、炭酸飲料水などで洗うなど行うのですが、日本の多くの病院でも間違った避妊方法として掲げています。
不確かな避妊方法をお話ししましたが、生でする行為において避妊目的であれば確実性が高い方法もあります。ただ、その前に必ず知ってほしい知識として生で挿入することは「性病」観点でリスクがあることも知っておく必要があります。
コンドームと生の性感染症リスクの比較

性病・性感染症とは、性的な行為によって感染する病気のことをいいます。性的な行為には、男性と女性の性交だけでなく、オーラル(口の内)などによる行為も含んでいます。基本的に性器、粘膜同士の接触によって感染が起きます。
一昔前までは「性病」というと、一般の人には関係の無い病気、というようなイメージがありますが、現在では普通のカップルの間でも広がっていて近年では性病の一種「梅毒」はここ数年で若い世代を中心に増加傾向にあります。

1回の性行為における感染率は、日本のSTD研究所の情報では「梅毒20%以上」「クラミジアが30〜50%」「淋病が感染率は20〜50%」と高く、予防策をした性行為がとても重要になるのです。

海外で有名オンライン診療所「one medical」のNatasha Bhuyan医学博士からの情報を基に「コンドームと生の性感染症リスクの比較」についてお話しします。
性感染症の観点から話をすると生でするのとコンドームをつけて行うのとでは感染確率を大幅に下げることができます。コンドームを使うことでクラミジアや淋病といった病気を防ぐ効果は高くて約98%防ぎます。
ただ、ヘルペスや感染性の性器のイボ(尖圭コンジローマ。ヒトパピローマウイルスにより起こる)など、皮膚から皮膚に移る感染症の予防効果が落ちてしまい、男性から女性の場合は95%、女性から男性の場合は65%を防いでくれます。

また、オーラルでも性感染症は防げないので、男性器にはコンドームをすることは、女性器にはラップなど行うことでより確実性高く予防できます。
なので、相手や自分が性感染症ではないかがまず、重要な観点になっており、コンドームをすることは自分だけでなく相手のことも守ってあげることが出来る最適な避妊方法になりますのでコンドームの重要性はとても高いのです。

これを踏まえた上で、感染していない者同士の性行為、つまりは「現在、体のパートナーがお互いのみ」 や「性感染症の検査を受けて互いに感染していない」ことを確認することができれば、コンドームをしなくても避妊予防のみに焦点をあてた避妊方法を行えば「避妊方法として確実な生での行為」は可能になります。

なので生で行うと言うことは互いにしっかりとコミュニケーション取った上で、正しい知識と責任を持ってこそ行える行為なんですね。では、世界的に広まっていてWHOが必須医薬品として認定している避妊方法を含めてお話しします。
コンドーム以外の避妊方法2選
低用量ピル(OC)

女性ホルモンを含んだ薬剤を服用することで排卵を抑制する方法であり、ピルは避妊目的としてだけでなく、女性にとって体調改善や多岐に渡る目的として服用できます。女性主体で行うことが出来る避妊方法であり、飲み忘れなく理想的に使用した場合には、かなり避妊失敗率が低く失敗率をパール指数0.3%程度と低く抑えられます(飲み忘れなど典型的な使用の場合には9%)。

コンドームの場合には、理想的に使用で失敗率が「2%」で典型的な使用の場合には「18%」なので、避妊目的としてはコンドームよりもピルの方が失敗率が低いです。しかし、コンドームと違い毎日服用する必要があり、継続的に飲まなければなりませんので飲み忘れなどしてしまう可能性があり、人によっては服用後に副作用として吐き気、むくみ、不正出血などの症状を起こしてしまう可能性があります。
個人差があり服用ができない場合もあるので専門医と相談が必要になります。

また、アフターピルは避妊を失敗してしまった場合など、性交後72時間以内に緊急的に用いる緊急避妊薬もあります。薬により異なりますが、服用が早いほど避妊確率が高くなります。
避妊リング(IUS/IUD)

避妊リングとも呼ばれているIUS・IUDは、どちらも子宮内に装着して妊娠を防ぐ子宮内避妊具になります。IUSは黄体ホルモン放出するプラスチック製の避妊具でありパール指数「0.2%」となり、銅付加IUDは銅イオンによって精子の運動能力の阻害や着床を防ぐ避妊具でありパール指数「0.6〜0.8%」とかなり失敗率が低い方法になります。

また、一度装着することで約3~5年ほど有効なので、長期的な避妊が期待できます。しかし、装着するには病院で行う必要があったり、出産経験によっても医師からの適用可否が必要になります。挿入後は、少量の出血や軽度の下腹部痛など報告されています。
手軽な避妊方法ではありませんが、確実性が高く一度の装着で長期的に手間がかからないメリットがあります。
確実性高く避妊方法を選択するなら

このことから、避妊効果としてもコンドームをつけることで100%の「避妊」は難しいことは事実ですが、「自身はもちろん相手も性病から守る」ためにもコンドームをつけることは効果的になります。
日本で避妊、性病ともに安全性が高く性行為を行うなら「コンドーム」と組み合わせで「低用量ピル」を使うことは効果が高いので選択肢の一つになります。避妊、性病への責任と正しい知識を持った上で「生」でする選択肢を選ぶなら「低容量ピル」や「避妊リング」と組み合わせで「タイミング法」「プルアウト法」を行うことでより確実性が高い避妊が行えます。

ただ、互いにしっかり話し合い合意したわけではなく、責任を持ってもいないのに生でしたい理由が「つけない方が気持ちがいいから」「面倒だし勃ちが悪くなるから」なんて言う男性は、無責任すぎてカッコ悪い男性です。
女性を守ってあげれるクールな男性になるためにも「コンドーム」を正しく身につけられる知識を持ちましょう。「つけなくていい?」てなんて聞く男性よりたどたどしくても丁寧に装着してくれる男性の方が100倍素敵すぎますよね!
女性が求めるアソコの話

男性はアソコが「勃つ」のが難しく、女性は「勃たなければ」傷つく可能性があります。
EDと女性の夜の満足度を調べた研究で、本番時に硬くなければ「自分のせいかもしれない」と考える人が多く、女性の自信や満足度が低下してしまうのです。
女性が「仕方がない事だ、、、」と頭では分かっていたとしても夜の満足度がどうしても落ちてしまうんですね。
その一方で、40歳以上の日本人男性のうち、3人に1人はEDである事が分かっており、年々男性ホルモンであるテストステロンが低下していく傾向があるので、加齢に伴い硬くなっていく事が難しくなっていくのです。

「男性が興奮してたら勃起するのが当たり前では?」と思う方も女性の中にはいますが、男性が勃つ為には、「テストステロン」や「NO(一酸化窒素)」が分泌されて機能が連動して働いていなければ「陰茎海綿体」に血液が流入し、硬い状態は作れないので単純ではないんですね。

そして、男性がアソコの対策をしている人ほど、女性の夜の満足度が高い研究データからも、自分に向き合う事ができる男性ほど良い行為ができるんですね。
男性で、今よりも「硬く、勃たせ続けたい」方は、シトルリンやアルギニンなどの「NO系成分」が含まれた夜のサプリメントを取り入れることでポジティブケアをしてくれます。

NO系成分は、血管を広げて血流を促進させる効果があり、血管にある一酸化窒素(NO)の生成の働きを促すことで血流促進サポートにより大事な場所にも血流が流れ硬くなりやすい役割を果たします。
サプリメントは、治療とは違い即効性ではなく、日々の習慣改善と合わせて男性のコンディションを根本的な改善をしていく事が目的となるので副作用なども基本的になく、日々の生活の中で活用できます。
NO系サプリメントを成分や価格帯から比較してランキングにしているので参考にしてください。
まとめ

性感染症についてや避妊についてはここでお話しした内容では少なすぎますので、より基礎的なことから深い内容を学ぶために、性感染症について一つ一つの症状にて詳しく解説されている「STD研究所」サイト。避妊や性の悩みについて詳しく解説されているNPO法人「ピルコン」の「HAPPY LOVE GUIDE」サイトは参考になりますよ!
■参考資料
カウパー
Sperm content of pre-ejaculatory fluid
パール指数
Contraceptive failure in the United States
http://www.contraceptivetechnology.org/wp-content/uploads/2013/09/CTFailureTable.pdf
「one medical」医学博士
プルアウト法について
https://www.scientificamerican.com/article/can-you-prevent-pregnancy-with-the-pullout-method/
増加する性感染症について
Increasing prevalence of sexually transmitted infections and the problems in the disease control
低容量ピルについて
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf
厚生労働省性感染症報告数
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