ポルノ依存症問題について、世界的に多くの議論が行われています。
世界最大級のポルノサイトであるPornHubが公開した情報によると、1日あたり1億1500万人がアクセスがある程ポルノに夢中な人は多いのです。そして、Porn Hubの年間検索ランキングで「Japanese」というワードが1位を獲得するなど、日本はポルノ王国なのです。

ポルノ中毒とは、ポルノが生活の一部となり、生活に害をもたらしている状態なのにポルノをやめられない状態を言います。もしあなたが「無気力感がいつもある」「休んでもなんか疲れが取れない」「あそこの元気がない」など日常に不満感がある場合には、ポルノによるせいかもしれません。
ポルノは、私たちに「超正常刺激」を与えてくれます。超正常刺激とは、通常の刺激を誇張して本物よりも魅力的なものに増幅させたものであり、これこそがポルノの依存度が高くなってしまう原因の一つなんですね。
Problematic Pornography Use(PPU)ポルノコンテンツの依存的利用であると認めた人(PPU患者)を対象にしたポルノ断ちをした実験では、1日目は清々しい気持ちになれるのですが、2日目には生理的な症状が現れポルノを見たくてたまらない不安状態になってしまいます。脳科学の研究によるとポルノ中毒の脳内では薬物依存症と同様の変化が起きているというので、控えめに言ってもヤバイことがわかります。
なので、もし貴方が日々の習慣の様にポルノを見ているのなら、無意識的に体に大きな害を及ぼしている可能性があるのです。
ただ、ポルノにハマってる人がポルノ断ちを果たすことによって、人生が激変するほどの変化を感じている人もいるのは事実なのです。なので、今回、ポルノ中毒の恐ろしすぎる危険性とポルノ断ちの人生レベルの恩恵、自力でできるポルノ断ち方法についてお話します。
もくじ
ポルノ中毒・依存の恐ろしすぎる危険性2選

ポルノを見ることにより、人間はドーパミンやセロトニンと言った幸せ・報酬系の脳内分泌が行われ脳が快楽物質を得ることができます。
しかし、ポルノコンテンツを見すぎることで、「ED(勃起不全)」になったり、「物事に対しやる気がなくなってしまう無気力状態」になってしまっている可能性もあります。
ED(勃起不全)

ポルノを普段から見ていると、慣れてしまいドーパミンが出にくくなるので、よりハードなもの、逸脱した物を求めやすくなります。そのような脳の状態では、通常の性行為で興奮できず、精神的な理由によってED(勃起不全)になってしまうのです。
ED(勃起不全)のメカニズム

脳科学的な研究により「ポルノ中毒」によってEDは次のメカニズムによって起きます。
- 静止画・同じポルノでは性的興奮は起きにくくなり、より過激なポルノへとエスカレートしていく
- 脳が快感に対して麻痺してペニスの感覚が鈍くなる
- 現実の相手との性行為で射精が困難になる
- 現実の相手との性行為では勃起を維持できない性交不能状態になる
- 過激なポルノを見てもまったく勃起しない勃起不能状態になる
- 脳に性的興奮伝達できない状態になりED治療薬でさえ効力を失う
この様な段階を踏んで勃起能力を徐々に失っていくのです。
ハーバード大学の研究でも実証されていますが、実体験と想像では脳活動は全く同じ変化を示しているので、「ポルノを見て想像している状態」は、「何度も繰り返し性行為を行なっている状態」と脳はさほど変わりはないんですね。
実際に「スタンフォード監獄実験」で知られる社会心理学者のフィリップ・ジンバルドーは、中高時代を男子ばかりの寄宿舎で仲間たちと大量のポルノを見ながら過ごした男性が、愛情があるにもかかわらず恋人と性交渉ができない事例などを報告している様に、若く精力溢れる世代にも関わらず、同様の症状が起きるので身体的な原因ではないこともわかります。
不安・無気力状態

ポルノ中毒によって
- 不安増加
- 何事もやる気が生まれない
- 集中力の低下
- 物事の関心が薄れる
などの状態の可能性もあります。
ポルノコンテンツを見続けることで、脳内の快楽物質であるドーパミンが過剰分泌されてしまうので、ドーパミンなど幸福・報酬系ホルモンに対して脳が鈍感になってしまっているので、ポルノを見ていない状態だと、ドーパミン不足により脳が不安ばかり感じる状態となってしまうのです。
ポルノ依存の悪循環

- 不安(ストレス)
- 満ちる(ポルノでドーパミン分泌)
- 慣れる(ポルノでドーパミンで感じにくくなる)
- より求める(より過剰なポルノでドーパミンを過剰分泌)
- 不安(日常生活でドーパミンを感じにくくなり無気力状態)
この5つをエンドレスに繰り返してしまいます。
もし、この様な状態に心当たりがある様なら、ポルノ断ちをする事で、これらの状態を改善することが期待できます。
ポルノ断ちによる人生レベルの恩恵

ポルノ依存度によってメリットに個人差はありますが、ポルノ依存症の人を対象に調査したデータでは、自慰行為とポルノを観るのを控えたところ、60%が「性機能が改善」し、67%が「物事に精力的」「生産性が上がった」結果となりました。
他にも、ポルノが習慣になっている人にとっては「時間の確保」はもちろんですが、脳機能の改善からも「睡眠の質が改善」「仕事や勉強に集中力増加」「向上心が上がる」「日常生活での幸福度が上がる」などの恩恵を感じる方もいます。
ポルノを断つことにより性行為でも「性の喜びもより感じられる」ので、日常や性行為にポルノによって支障があると感じているのなら、ポルノを断つことで人生レベルでの恩恵をもたらしてくれる可能性があるんですね。
ポルノ断ちを自力で成功させる方法4選

ポルノは依存性が強く、不安解消の側面が強いのでしたら、本人の意思だけではポルノ断ちは難しいのは事実なのです。ポルノ刺激の性質から、ほどんどの人が4~7日以上のポルノコンテンツ断ちに耐えられません。
なので、ポルノ断ちする為には、他人に協力を求めたり、医療機関、支援団体に相談することが望ましいです。しかし、人に中々相談しにくい内容ではあるので、ここではポルノと依存性の特性から自力でポルノ断ちする為の方法を4つ提案します。
手軽に手に入らない様にする

ポルノに依存しやすい理由の1つに、ネットの普及もあり自宅にいても手軽に満足感を得られることができることが挙げられます。まずは手軽にポルノに触れられない様にするため、ブックマークの削除、18歳以上の広告をブロック、ポルノブロックソフトの導入したり距離を取りましょう。
性欲の引き金を排除

性欲のキッカケは人それぞれですが、自身を欲情させる物をなるべく遠ざけましょう。自宅にポルノコンテンツとなる本やDVDがあるのなら、一旦排除しましょう。それ以外にもポスター、SNS、ソフト、画像、フィギュアなど自身の引き金となり得るものを遠ざける努力は大切です。
自宅に1人の時間を作らない

自宅でリラックスした環境こそポルノ衝動を起こしてしまいがちになります。しかし公共の場で欲情する人は少ないですし、意識的に自宅で1人でいる時間がある環境を変えることで衝動を抑える一つのキッカケになります。
代わりの行動をする

性欲によってムラムラした気持ちが生まれたとしたら、その欲求は長く続いても3~5分になります。なので、その欲求を先延ばしにしたり、その代わりの行動を見つけて癖つける事で、その欲求を抑えやすくなります。
代わりの行動としての提案で、筋トレ・運動行うことで脳内から幸福ホルモンが分泌されるので、不安・ストレスからの解放行為となり効果的です。
調査によると、ポルノコンテンツ断ち14日目に突入すると、脳機能はかなり回復し、30日目に突入すると集中力が高まり、思考がクリアになっていることに自覚できるほどなので、まずは2週間を目標に自身ができる範囲で計画してポルノ断ちを実行しましょう。
「ポルノ断ちをするべき人・しなくてもいい人」の大きな違い

ポルノ断ち効果として、日々の生活で幸福感をより感じると言いますが、ポルノによって脳内幸福ホルモンを敏感に感じ取れない状況だとしたら、それは必然的な効果なんですね。
ただ、無意味な「禁欲」は、逆にストレスを溜める行為にもなってしまい心身的に良くないのですし、ポルノを見る時間が問題ではなく、ポルノによって「ヤバイな・・」と自己認識しているポルノ依存症の状態こそ「勃起不全や性的不満の増加」と関係することを明らかにしているのです。(2021年8月13日、The Journal of Sexual Medicine誌に掲載されたオーストラリア・マッコーリー大学のGeorgina Whelan氏による研究)
なので、多くの時間ポルノに費やしていたとしても「自分にとってポルノを断つ必要性が感じられない!」なら、無理やり止める必要は無いですし、自身にとってポルノが悪影響となっていると感じるのなら、「ポルノ断ち!」という英断を下すことがとても大事になりますね!
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